岩手へ行く Part2

2日目
前日夜、台風の影響なのか大雨が降り、疲れてはいたが気になってなかなか寝れず。テレビを見ると大雨注意報がでていた。昨年、実家が床下浸水したので、大雨が降るとなにか気持ちが落ち着かない。特に被害はなかったらしいのでよかった。男二人で朝飯を自炊し食べる。二人とも料理はやるので、サッカーのアイコンタクトばりに意志の疎通ができ、要領よくできた。作業的には1日目と同じ。少ないスタッフで大量の本をさばいているので、まだまだ本の入った段ボールが山積みになっている。仕事終了後、遠野まごころネット | 岩手県遠野市 東日本大震災 被災地支援 ボランティアネットワークというボランティアセンターへ行ってみる。遠野市の多目的施設を使ってボランティアの受け入れ、宿泊、仕事の斡旋を大規模にやっていた。体育館一面にボランティアが寝袋で寝泊まりしていた。やはり若い子が多く、学校の合宿のような、日本で無いような熱気を感じる場所だった。ここから毎日沿岸部の方へ様々なボランティアに参加しているそうだ。その夜、団体の事務局長と大学生ボランティア3人が東京から到着。交流会を行う。

3日目
土曜日。平日は本の整理をし、土日は仮設住宅を回り移動図書館活動するのが、現在のスケジュールらしい。軽トラを改造した図書車に本を乗せ、他二台の車に乗り込み被災地域の大槌町に向かう。この日はボランティアスタッフも多く全員で12人。この3日間ずっとそうだったが、雨が降り止みの連続。レインコートを着て、3ヶ所の仮説住宅を回る。一ヶ所目に11時ごろ到着。そこでタープを張ったり、本やお茶を車から出し、準備を行うが、ボランティア全員が初めての参加者ということ雨の中の作業ということで、少しまごついてしまう。今までの移動図書館活動の中でも過酷な環境だったとスタッフの方が言っていた。前回に本を借りていた数人の子供たちが雨の中待っていてくれ、準備が整うとボチボチ人が集まってくれた。事前にスタッフから言われていたが、ここでのボランティアスタッフの仕事は、来てくれた方々の話を聞くということだった。傾聴ボランティアと言うらしい。お年寄りの話相手は慣れているので、すんなり入れたが、土日と回らせていただいて、なぜか分からないが子供にモテた。というかいじられた。スタッフの人から抱きつかれやすい体質ですねと言われたが、痩せ型なのでけして抱きつきやすいと思わない。しかしダッコやオンブをかなりさせられた。自分から意識的に子供へからんでいったので、打ち解けてくれたのはうれしかった。一ヶ所目は終始雨が降っていたので、なかなか大変だった。
昼食をとるため大槌町を一望できる高台へ行く。上から見ると被害が広範囲なのを直視させられる。下の二枚の写真がここから撮ったもの。カメラの撮り方がうまくないので、この写真では伝わらないような気がする。昼食後、二ヶ所目に移動した。設営だけして自分と数人のボランティアは次の場所へ移動した。三ヶ所目では今回だけの試みらしいが尼さん歌手のミニライブをするというこで、その設営のお手伝いのために早めの移動となった。この時同行したスタッフ方がここの出身であり在住者。多数の死者がいるなかで、まだまだ遺体が見つかってない方が多数。ご遺体は見つかってよかってですねというのが、現地の方々同士でされている話だと移動中に聞く。
三ヶ所目は大槌町吉里吉里(きりきり)という地名の場所。ここに来て初めて知ったが、井上ひさしの小説吉里吉里人 - Wikipediaの舞台になった有名な場所らしい。帰ってから早速Amazonでポチッとやって現在読んでいるが、すごいボリュームなのでなかなか読み進まない。話の内容としては、吉里吉里の人たちが日本国に愛想を尽かし、独立国家を宣言するという内容をかなりコミカルにした小説。これは小説の世界だが実際にこの地域は、古くからコミニュティの結びつきが大変強い地域で、震災後も早くからお互い助け合い、生活していたとこのスタッフの方から聞く。
設営を手伝い、一軒一軒ライブの告知作業を行う。正直、いきなり伺うのは少し迷惑でないかと思ったが、皆さん笑顔でありがとうと答えてくれる。最終的には結構な人が集まってくれたと思う。ここでは一段と子供がなついてくれた。女の子が月刊のマンガ雑誌を読みながら、「これ集めてたけど全部流されちゃった」と言っていた。次の日になるがDSの話をしていた男の子も「ポケモンのソフトみんな流されちゃった」と言っていた。図書館活動の隣ではミニライブをやっていた。一緒に遊んでいて、途中から子供がテンション上がってきたのか、大声をだし始めたのに対し、ライブスタッフの方々から白い目で見られる。ライブだが尼さん歌手の方は大変きれいな声をしていた。応援ソングを歌っていたが、すごく耳に残るメロディーだった。http://www.yanasenana.net/makenai/童謡なども歌っていたが、「ふるさと」を聞いて泣いている方もいた。この夜はライブスタッフの方に夕飯をごちそうになる。遠野市はなぜかジンギスカンが有名らしくこれをいただいた。臭みはほとんど無く、タレが濃厚なためごはんがすすんでおいしかった。